ベネチア国際映画祭のシーズンに合わせて、キャンドルウィックのメンバーがおすすめする映画を紹介します。

まずは、ニュージーランド出身のキャサリンです。


私の周りには映画専門家がたくさんいます。私の両親や夫も映画について教えたり書いたりする仕事をしています。しかし、私は30分のテレビ番組を見るのがやっとです。そんな私が世界中のもっと多くの方々に観ていただきたい映画があります。「クジラの島の少女」という映画です。ニュージーランドのマオリ族の部族の長になりたい少女が、その役割は男性だけのものだと信じている彼女の祖父と対峙する話です。生と死、家族、伝統、コミュニティをテーマとした感動的な物語で、ニュージーランドの文化や自然を感じることができる素晴らしい映画です。投稿の画像は、映画の舞台であるWhangara Bayのもの。

映画は、世界中の人々の生活に新しい視点を生むことができ、「クジラの島の少女」もその好例です。

次は、三浦から。


映画は私の人生に欠かせません。いままで数え切れないほどの映画をみてきましたが、おすすめの映画のひとつがヒッチコック好きの母から教えてもらった“レベッカ”(1940)です。


“レベッカ”は私のお気に入りの小説のひとつで、お金持ちの夫人の付き人として、モナコのモンテカルロのホテルにやってきた若い女性が、イギリス人の富豪と知り合い、恋におちて大邸宅に後妻として行くのですが、実は大きな秘密が‥というストーリーです。モノクロでありながら、当時の上流階級の服装や贅沢な雰囲気を味わいながら、ヒッチコックならではの極上のサスペンスが楽しめます。2020年にNetflixで製作されたレベッカではモナコの素晴らしい景色をカラーで堪能できます。https://www.youtube.com/watch?v=w-BLM9GBdfU

アートが好きな浅野は、ストーリーはもちろん、撮影方法、映像そのものの美しさ、そして映画ファッションに魅せられることが多いです。

「ロシュフォールの恋人たち」は1967年に公開されたフランスのミュージカル映画です。舞台は海辺の街ロシュフォール。美人の双子姉妹がおのおの夢を持ちながら運命の人を探す物語が、ハッピーで陽気な音楽、カラフルなファッションとともに繰り広げられていきます。注目すべきはやはりそのファッション!鮮やかで大胆な色使い、絶妙な配色に細部までこだわりを感じます。同じくジャック・ドゥミ監督、カトリーヌ・ドヌーブ主演の「シェルブールの雨傘」はまったくテイストの違うストーリーですが、こちらも60年代のフランス映画らしい粋なファッションを楽しむことができます。

2017年に大ヒットした「ラ・ラ・ランド」でもこの映画のオマージュととれるシーンがあります!どのシーンがオマージュになっているか考えてみるのも面白いかもしれません。秋らしくひんやりとした気候が続いていますので、お家でゆっくり映画を観て過ごしてみてはいかがでしょう。